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僕は今自分がもの凄く自分勝手だって事はわかってる…。
でも初めてもらった元日本語教師さんからのコメントとかいいねとか、フォローとか…。
じっくりじっくり家で眺めたいんだ。

何故こんな気持ちになるのかわからない…。
他の人と何が違うのかもわからないけど、なんかあの人だけは他の人とオーラが違くて…。
だからまさか僕なんかに返信をくれると思ってなかったから…。

自分が自分に言い訳してるみたいで変だけど、とにかく今は友達よりもこのコメントの方が僕には重要だった。


なぜか家に着くまで僕は気持ちばかりが焦り、小走りで帰って来て家に入った時には息が上がっていた。


「ハァ…ハァ…」


背負っているリュックも下ろさず、ソファーに座ってスマホを握りしめ息を飲んだ。
そして恐る恐るHi Hi communityのアプリをタップした。

受信BOXには僕が書いた記事にいいねしてくれた人のコメントと僕がコメントした返信が連なっていたけど、このなかでも元日本語教師さんのいいねやコメントが僕には一際光って見える気がした。

そして僕が書いたコメントの返信には…。

『とても美味しかったですよ
機会がありましたら是非飲んで見て下さいね』


と書いてあった。


「や、やった…
元日本語教師さんからコメントの返信もらっちゃった…」


返信コメントを穴が開くほど見つめ、思わずガッツポーズをした。
そして僕のトップページに戻ってフォロワーの欄を確認すると、そこにはしっかり元日本語教師さんの名前が鎮座していた。


「くぅぅぅーーっ!!
元日本語教師さんが僕のフォロワーだなんて…」


僕は踊り出しそうなくらい嬉しくなった。
嬉しすぎてどっちみち飲み足らなかった酒を祝杯として飲もうと冷蔵庫を開けた。
昨日飲み残したワインボトルを取り出し、グラスに注いで元日本語教師さんがフォロワーになった記念のワインを飲んだ。


「ふふーん♪
気分のいい時のワインはなんておいしいんだろ…」


僕はテンションが上がりすぎてくいくいと進むペースに自分が飲みすぎている事にも気づかなかった。
暫くすると自分が酔っ払ってる事にやっと気づいた。


「あ~、ぽく…だいぶぅ~よっぱらったったみたい…」


フラフラと立ち上がりそのまま寝室に向かいベッドにバタンと突っ伏した。
そのまま僕は夢の中へ落ちていったけど、今日見た夢は幸せでしかなかった。


~『元日本語教師さん、僕はあなたと話している時が一番楽しいんです』

『チャンミンありがとう…
僕もチャンミンと話している時が一番楽しいよ』

『元日本語教師さん、僕もっと元日本語教師さんと仲良くなりたいから他の人と違う親しい名前で呼びたいです』

『うん?僕の事…なんて呼びたい?』

『んー、本当の名前は知らないから先生って呼んじゃおっかな…
先生の本当の名前は何て言うんですか?』

『知りたい?
じゃあ、チャンミンだけに教えてあげる…
僕の名前は……』~



僕はベッドの上で布団もかけずそのまま寝ていたみたいで、朝方肌寒くて目が覚めた。
ブルブルっと体を震わせ掌で腕を擦った。


「うぅーさっむ…」


僕は昨日元日本語教師さんからもらったコメントやフォローが嬉しすぎて調子に乗って飲みすぎちゃったみたいだ。

風呂にも入らず服のまま寝ちゃって酷い状態…。
流石に自分のやっちゃった感に少しへこんだ。
ただ今さっきまで見ていた夢が僕と元日本語教師さんが話している夢で、なんだか甘い雰囲気だったんだよなぁ…。

゛名前…チャンミンだけに教えてあげようか?…゛なーんて言われてワクワクしている自分に戸惑った。

しかも夢の中の僕は元日本語教師さんに好意を持ってるのか、恋人に喋るような甘い声で「先生…」なんて呼んでた自分にも驚きだった。


もちろん、元日本語教師さんはあのアプリの中では大人気で元日本語教師さんに好感を持ってる事は間違いない。
けど、それはオーラを持つ凄い人って意味の好感であって憧れに近いというか…、夢で見た恋人になりたい甘い雰囲気の好感とは少し違う気がするけど。


僕は自分の夢を否定するように分析をして、さっきの夢の出来事はちょっと違うぞと自分に言い聞かせていた。


でもさ、確かに日本語検定1級元日本語教師さんってこう言っちゃ失礼だけど長くて呼びにくいんだよね…。
だから僕の中だけで元日本語教師さんの事を「先生」って呼ぶ事に決めた。


先生って普段本当に何してるのかな?

普段はもちろん紹介文に書いてあるように子供にボランティアでかな?日本語を教えてるみたいだけど、いつもカフェの記事ばかりで一切生活が見えない…。
まぁ、語学学習コミュニケーションアプリだから日常生活を載せてる人と勉強の記事だけの人と半々ではあるけど…僕は先生の日常生活がとても気になる。

少しずつ会話を交わして仲良くなれるといいな…。

そう思いながらもまだ少し早い目覚めにもう一眠りしようと目を閉じた。




それから僕は毎日1度は必ず勉強の記事を上げて、先生の記事が上がればすぐに読んで、いいねとコメントを欠かさなかった。

そんな僕を先生は気づいてるのかどうか…。
いつも丁寧で柔らかい言葉でコメント返信をくれるけど、先生の記事にコメントを送る全ての人の中の1人にしか思われてないのかな?

暫く先生の記事が上がる度にコメントを寄せると、必ず先生は返信と僕の記事にいいねをしに来てくれるけど、僕の日本語勉強の記事には僕の日本語が間違っていようといまいとコメントを残してくれる事は一度もなかった…。

僕の記事は先生の気持ちに引っかからないのかな…。
もうちょっと特殊な記事を上げてみたら先生はコメントを残してくるかな?
それとも先生がいつもカフェの記事を上げるから、先生が僕に話しかけ易いように僕もカフェの記事を上げてみようか…。


だんだんアプリを使う主旨が変わりつつあるけど、語学学習コミュニケーションが目的のアプリだから、会話して日本語さえできる様になればいい訳で道は逸れてないはず。

僕は勉強の記事から少し離れてみる事にした。
普段は余り行かないカフェにわざわざ行って、初めは注文したホットコーヒーを僕の座っているテーブルにポンと置いただけの画像を上げてみた。

記事には『” ちょっとひといき^^ ”』なんて、凄く短い日本語の文章だったのに思いの外いいねがついてビックリした。


こ、これって…所謂 ゛映え ゛ってやつ?


このぽつんとコーヒーカップを置いただけの画像と短い文章の方が女性受けするらしいという事を1つ学んだ。

それからと言うもの、カフェの記事を上げる為に普段はあまり行く事のないカフェにもなるべく行くようにした。
何度かカフェでの画像を撮ると、僕も若干コジャレて来て ゛映え ゛を気にしながらカメラを向けるようになった。

そればっかりだとなんだから、日常の目についた物も記事にするようになって僕のタイムラインがとても華やかになった。
もちろん記事には勉強している画像ばかりではなくなったけれど、文章はなるべく日本語で書く様にして日本語勉強も欠かさないようにしていた。


そんな風に日常のいろいろな記事を上げるようになってから2週間。
ついに僕に光が指した。
僕のカフェ記事に先生からコメントがあったんだ。


ー【シムシムタイムライン】ー

きょうはかぺであまいのみもの、ちゅうもんしました。
ストロベリースムージー^^
ーーーーーーーーーーーー



僕はあんまり甘い飲み物を普段飲まないけど、今日はたまたま目に付いたこの飲み物を飲みたい気持ちより、ついつい ゛映え ゛を気にしてしまい思わず注文してしまった…。

ピンク色したスムージーに白くてフワフワな生クリームがこんもりと乗っていて、苺と小さいパステルカラーのマカロンが乗っている、もう食べ物のような飲み物だった。

タイムラインを上げた直後から沢山のいいねが付き出して、コメントには ゛かわいい ゛とか ゛おいしそう ゛とか ゛このカフェに行った事がある ゛など、沢山の女性達からコメントが入った。

その中で僕が息を飲んでしまったのが、先生からのコメントだった。


『おいしそう』


僕はこの5文字が嬉しすぎて、本当はこのカフェで立ち上がって勝利の万歳をしたかった。
でもほどよくお客さんがいる中では流石にそれはできなくて、心の中で大きくガッツポーズをした。

僕が見てる限り、先生は甘い飲み物が好きだ。
先生のタイムラインにはカラフルな色で割りとフルーツを主としている飲み物が多い気がする…。
今日僕が上げた画像も苺の飲み物だったし…よし、カフェではスムージーで攻めるか…

僕は心の中でこれからの計画を立てていた。
するとまたHi Hi continueの受信があり、スマホを覗いた僕はドッキーンと胸が大きく跳ねた。


こ、これって…個人メッセージのマークだよね?
スマホの画面を下にスワイプするとそこには先生の名前があった。
僕は急にドキドキした心臓を落ち着かせようと1度大きな深呼吸をして、思いきってタップしてみた。


『シムシムさんこんにちは
いつも僕のタイムラインにいいねとコメントをありがとう
ところで今日シムシムさんが載せていたカフェはどこにあるのか教えてもらえますか?』



やっぱり!
先生はフルーツのかわいいスムージーに目がないんだ。
沢山のカフェで飲んでいる先生だけど、ここはまだ先生のテリトリーじゃなかったって事か…。


僕はすぐに先生に返信するため、カフェの名前と住所をコピペして、この絶好のチャンスに先生に近づこうといやらしい考えを起こした。


『◯◯カフェ
住所…… ……
すっごくおいしかったのでぜひ元日本語教師さんも行ってみて下さい!
もし地図で道がわかりずらかったら、僕がご案内するのでいつでも声かけて下さい!』


下心ありありのメッセージと共にカフェの詳細を載せたメッセージを送るとすぐにまた返信が戻ってきた。


『シムシムさんありがとう
近々行ってみたいと思います
僕はSNSで繋がった人とは会わない事にしてるので自力でカフェに行ってみます』


僕の興奮した気持ちとは裏腹に先生は固い鉄のシャッターを僕の目の前に下ろした。
一歩先生に近づけたと思った僕は一線を引かれ撃沈した。


先生にシャッターを下ろされた事で逆に先生に近づきたい気持ちに拍車がかかり、こんなストーカーじみた事をしてはダメだとわかっていても、先生が利用しているカフェを検索し始めた。

そして今まで先生がHi Hi continueのタイムラインに上げてる飲み物の名前でカフェを特定した。
カフェの名前と住所を一覧にして地図に印を付けていくと、先生はもしかしたら僕が住んでいる場所に割りと近い場所に住んでいるんじゃないかと思った。


僕があまりカフェを利用しないだけで、先生は普段僕の住む地域を行き来している可能性があるって事だよね…。
じゃあもしかして先生がよく通っているカフェに僕も通っていればいつかは先生とバッタリ出会う可能性があるって事?


先生にはバサッと切り捨てられたけど、僕は俄然やる気になった。
そして僕は日本語を覚える目標と共にもう1つ目標ができた。


僕は先生に会う!




カエルくんと僕3に続く
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昨日から始まったカエルくんと僕。
すいません…💦ユノさんがもう暫く間接的にしか出てきません。。
ユノペンの皆様、ここは…ここはどうぞ忍耐強くお待ち下さいΣ(ノд<)
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