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俺はこれ以降テミンを常に警戒するようになった。
それと同時にテミンには俺とチャンミンの関係を絶対にバレない様にしていかなくてはいけないと思った。

テミンがどの程度俺に興味があるかにもよるけど、簡単に諦めてくれればそれに越した事はない。
でも万が一、チャンミンに矛先が向くのは何とか避けたい…。
その為にはやっぱりあのチャンミンのタイムラインは削除しておいた方がいいよな。

チャンミンに直接話す訳にもいかないし、チャンミンには申し訳ないが、あのタイムラインをこっそり削除するか、事故を装って削除しようか…。



勝手に削除する事に心が痛まない訳じゃない。
でも面倒臭え事にチャンミンを巻き込む訳にはいかないし、俺だって仕方なくする事だ。

俺はチャンミンのスマホを勝手に触る事に気が重かった。
それでもなるべく早く削除しなきゃな…。


俺は自分の心に渇を入れ、チャンミンのスマホを弄れるタイミングを常に狙っていた。




火曜日ー

チャンミンのスマホを勝手に見た事は1度もない。
何も気になる事はないし、見る必要がない。
だって俺はチャンミンの事を信じているし、チャンミンがやましい事をしてるとも思えない。

それ故にチャンミンのスマホを弄るタイミングを狙うとか…。
俺だってドキドキしちまう。

あー、こんな事正気じゃねえ!
気が重いって…。



そんな事をウジウジ考えていたら、タイミングを失いこの日は失敗した。





水曜日ー

俺はソワソワしながらもチャンミンが風呂に入る時を狙った。
夕食を終えチャンミンが食器を洗ってる間、ソファに座りテレビを見ていた。
いや…見ている振りをしていた。

顔はテレビに向いてるけど耳はチャンミンの動く音ばかりを追った。


「ユノさん、僕お風呂先に入るよ?」

「あぁ、いいよ」


チャンミンが寝室に戻り下着とスウェットを持ってバスルームに向かった。
パタンとバスルームの扉が閉まる音が聞こえ、俺はそろりと立ち上がった。


寝室に向かいベッドに置いてあったチャンミンのスマホを手に取った。
ロックはだいたい予測がついていたから数字を打ち込むと難なく解除した。

Hi Hi continueを開き、俺と行ったカフェのタイムラインを探した。


あった…。


俺は心の中でチャンミンに謝った。


チャンミン…勝手にごめんな…。


そして俺は削除ボタンを押した。
削除できた事に俺はホッとして、一つ息を吐いた。


「はぁ、」







「何してるの?ユノさん…」


風呂に入ったはずのチャンミンがそこに立っていて俺はギクリとした。


「あ、え、こ、これは…」

「それ、僕のスマホ…
僕のスマホで何しようとしてたの?」

「あ、別に何もして…ない」


チャンミンは俺からスマホを引ったくった。


「こんな風にこそこそして、ユノさん僕の事が信じられない?
最近のユノさん何かソワソワして僕の話しも上の空で変だった
僕が浮気してるとでも思った?」


チャンミンは物凄く怒った。
それと同時に悲しそうな顔をした。


「いや…そんな事思ってない…」

「じゃあなんで…
僕が信じられなかったら僕に直接聞いてくれればいいじゃないか!」

「…………」

「僕が風呂に入ってる時を狙ってスマホを見るなんて、ユノさん最低だよッ!」


100%俺が悪い。
怒るのも当たり前だ。
俺が悪いのはわかってる…それでも怒りに任せて怒鳴り散らすチャンミンに俺はキレてしまった…。


「あー、俺は最低な奴だよ
勝手に見て悪かったな!
もう2度と見ねえから安心しろよ
俺出てくるわ」

「ユノさんッ!!」


チャンミンに呼ばれたのはわかっていたけど、俺はそのまま家を出た。




********

あー、やっちまった…。
俺何やってんだろ。
俺が100パー悪いのに、ついチャンミンの言葉にキレちまった。
はぁ…俺は馬鹿なのか?


俺は宛もなく歩いていた。
飛び出して来た手前、帰るのも帰りずらい…。


チャンミン怒ってたし悲しそうな顔してたよな…。
当然だよ。
あんな最低な事俺はしたんだから…。
チャンミンの口振り…俺がチャンミンを信じてなくて浮気してるんじゃないかってスマホチェックしたと思ってんだろうな…。

ホントはそんな事1ミリも思っちゃいねえのに…。
あーあ、意味のないケンカしちまった…。
チャンミンと初めてのケンカ…
俺、マジでどうしよう…はぁ…。


俺は家に帰る訳にもいかず、駅前のファミレスに入った。
ドリンクバーを頼んだものの、気づけば何も手につかずケンカしてしまった事ばかりをぐるぐる考えていて、ホットココアはすっかり冷たくなってしまった。

テーブルに突っ伏し、終電逃し組と同じように時間を持て余しながら過ごした。



1時を過ぎた頃俺はむくりと起き上がりスマホの時間を確認した。

いつまでもここにいたって仕方ねえよな…。
俺は新しいホットミルクティを持って来て、ゆっくり飲み干した。


帰るか…。


チャンミンへの言い訳すら考えていなかったけど、とりあえず家に帰る事にした。
謝った方がいいのはわかっているけど、今は追及されたくない。
理由は話さずとにかく謝るか…

どうしたらいいかと悶々と考えながら歩いていると、あっという間に家についてしまった。
今はなるようにしかならないと自分に言い聞かせ、そうっと家の扉を開けた。


リビングの電気は消えていて、もうチャンミンは寝室で寝ているみたいだ。
あの寝室に入って行く勇気のない意気地無しな俺は、タオルケットを取り出しリビングのソファで寝る事にした。

ソファに寝転びながら、俺のした事は間違ってた…とか明日になればチャンミンはおはようって笑顔で起こしてくれるかなとかいろいろな事を考えながら俺は眠りについたけど、朝目覚めるとチャンミンは既にいなかった。

俺の小さな願いは叶わず、チャンミンはもう出勤してしまったみたいだ。


「はぁっ、チャンミン俺に声かけずに出て行ったつー事はやっぱりまだ…怒ってんだよな…」


俺はその事だけでもうやる気が起きなくて、正直仕事も休みたかった。
でも今日は3才児クラスの授業もあるし、当然行かないといけなかった。


「支度すっか…」


重い体に鞭打って支度を始め、飯も食わず家を出た。



こんなにテンションの低い授業は初めてだ、と思いながら何とか授業をこなし1日を終えた。
まっすぐ家に帰る気にはなれず、俺はよく行くカフェにふらっと立ち寄った。

甘い物を飲んで心癒されてから家に帰ろうと思っていた俺は、つくづく負の連鎖に付きまとわれていた。
負の連鎖とは字の如く負を引き寄せる訳で、もしかしたら来週俺を待ち伏せするであろう会いたくなかったテミンが俺の前に立っていた。


「あぁ、ユンホさん
こんな所で会うなんて奇遇ですね」

「あ…テミン…何で俺の名前…」

「やだなぁ、もう忘れたんですか?
名前教えてくれないなら自分で調べるって言ったじゃないですか」

「…………」

「そうだ、ユンホさん
本当は来週あなたの職場の近くであなたを待ち伏せするつもりでいたんですけど、運命的に今日出会ったでしょ」

「運命なんかじゃねえよ」

「もう答え出ました?
それとも月曜日まで待って欲しい?」

「月曜だろうが今だろうが俺の気持ちは変わらない
お前とは付き合えない」

「そんなに簡単に答え出していいの?
ユンホさんの答え次第ではあなたの大好きな人に僕は接触するよ?」


テミンは微笑みながら俺をまっすぐに見た。


テミンはまだきっとチャンミンを探し当てていない。
なんとなくだけど俺はそう思った。


「俺の恋人には近づかせねえよ」


俺は目の前のテミンを睨んだ。


「ユンホさん、格好いい…
そんな風に僕も言ってもらいたいな
ユンホさん、月曜日まで待ってあげる
それまでよぉーく考えてね」

「テミン…」

「なあに?ユンホさん」

「お前、俺の恋人が誰かわかってないだろ?」


俺も余裕のある振りをしてテミンに釜をかけ笑いかけた。
でもテミンは焦る事なく顔色一つ変えずに答えた。


「どうかなぁ…
僕が見つけた人がユンホさんの恋人かもしれないし、そうじゃないかもしれない…
ユンホさんの答え次第で声かけてみるよ
じゃあね、ユノヒョン!」


そう言ってテミンは透明のカップに入ったピンクのジュースを飲みながら店を出て行った。


俺が考えてるよりもテミンは俺の先手を取ってて、その行動が冗談じゃないって事を物語っていた。
そんなテミンの駆け引きに俺は恐ろしさを感じ始めていた。


来週俺がテミンを断ったらチャンミンは…どうなる…。



カエルくんと僕ー俺のねずみくん4ーに続く。
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